今日の出来事

京都では毎年この時期小学校、中学校、高校で人権学習が行われていて、子供たちにも各学校で色々思考を凝らした取り組みがされています。

今日は息子の通う高校が当番校の年で、いつもお世話になっている副校長先生が講話をされるのでお手伝いがてら行ってきました。

息子の高校での人権学習のテーマ構成として、1年生はネットの問題やいじめ問題など、身近な人権問題を扱い、2年生では同和問題や障害者問題など生徒が近い将来経験したり見聞きしたりする可能性のあるものを、3年生では人種差別や難民問題など、国際人として社会にでる若者に考えて欲しい人権問題を扱うことになっているそうです。

そして今回の講話では2年生に向けて車イスバスケットのチームを招いてのお話と実際に体験するというプログラムを組んでくださり、その時の様子をビデオで見せていただきました。2年生の息子もクラスの代表で試合に出させてもらったのですが、テニスをやっていて腕力には自信があるものの車イスを動かすのは大変で、その上ボールをつきながら片手で車イスを操作するのも、足を使わずにゴールするのもすごく難しいことだと言ってました。

チームの皆さんは生まれつき足が不自由だった訳ではなく、バイクや自転車での事故やスポーツ中の怪我だったりである日突然身体が動かせなくなった方が大半だそうです。生徒の感想にもありましたが、確かに身体は不自由かもしれないけれど、その絶望感から立ち直れた強さや仲間を思いやる気持ちなど、私たちに無いものを持ってられるし、私たちが出来ないことも出来るのだなと思いました。

人それぞれ不自由なことを抱えている方もたくさんいらっしゃるし、健常者であっても歳をとって足が痛い方、ベビーカーを押してる方、それぞれその視点でみないと不便さがわからないことがたくさんあると思います。例えば車イスに乗ってられる方では、お店に入る時スロープはあってもドアが1人では開けられなかったり、自転車が通行の邪魔をしていたり、時々気がつかずガムや犬の糞尿を踏んでしまって車輪につくことがあるそうです。確かに犬の散歩をしているとそういったゴミはあちこちに落ちているので、犬を飼っている私たちは気をつけたいですね。

私の周りには今のところ障害を持たれた方はいないのできっと気がついていないことも多いけれど、いつ自分や家族がその立場になるかはわかりません。みんながちょっと気をつけるだけで身体の不自由な方だけでなく全ての人が快適に暮らせるようになるのではないでしょうか。

また、最近バリアフリーが言われてきて、施設も改善されていますが、まだまだ十分ではなくて、やっぱり一番のバリアになっているのが「障害者」に対する社会の認識で、障害を持つ人はかわいそうだという偏見がなくなって本当のバリアフリーになるのだと思います。

なんて、これらは高校2年生の生徒の感想を要約したものなんですよ。

まだ子供だと思っていてもしっかり自分の考えを言葉で表現できるようになるんだなぁって感心してみたり。ちゃんと高校で色んなことを経験させてもらい、考える機会を与えてもらってることに感謝しかないです。

今の若い世代が大人になった頃には、障害がある方が不自由でかわいそうだから手助けするというのではなく、不自由さを感じさせない、全ての人が暮らしやすい世の中を作り出していてくれたらいいなぁと思います。

 

余談になりますが、この講話の後近くの地下鉄の駅前でカイロがついた人権週間の案内を配っていたら、私の旧姓が呼ばれること二回。1人は約30年前、大学一回生の春休み1ヶ月だけ実家近くのスーパーのレジのアルバイトしていたのですが、そこでお世話になったおばさま。私の手を握ってギャー〜って言ったはりました(笑)。もう1人は高校時代の同級生で今や社長で三児のお父さんだそうです。たまに私の実家の和菓子屋に顔を出してくれてるそうですが、いつ行ってもおらんやんか〜って言われました。

今日は不思議なことにもう何十年も会ってない2人に会えました。これだけ時間が経ってもやっぱりお互いわかるものなのですね〜びっくりです。