日にち薬

先日ひどい台風が過ぎ去ったと思ったら今日は北海道で大きな地震が…  なんて自然災害が多いことでしょうか…  一日も早く元の生活に戻られますよう願っております。

 

9月8日でシロの百ケ日を迎えます。人間界では百ケ日を機に故人を失った哀しみを乗り越えて、もう泣き暮れる日から卒業しましょうという区切りとされていますね。日にち薬とはよく言ったもので、だいたいこの頃になると失くした哀しみも薄れて、泣くことも少なくなってきました。決して忘れることはないけれど、シロのいない生活に慣れてきたのだと思います。

でもこの3ヶ月、振り返ってみるとあまり記憶がないんですよね。毎日忙しかったということもありますが、心を正常に保たなきゃと無理していても、うっかりミスすることも多く、買い物に行っても買い忘れが多かったり、探し物が多かったり。自覚できるほど記憶力や思考力が低下している気がします。

前に何かの本で読んだのですが、大切なものを失った喪失感は脳に大変なダメージを与えるそうで、いわゆる脳が壊れる状態になるらしいです。なんか怖い感じがしますが、こうして悲しい記憶を消してくれているんだなぁって思います。きっと自己防衛反応なのですね。いい思い出だけが残るといいますがその通りなのかもしれません。シロの笑顔は思い出しても、病気になって大変な思いをしたことは忘れつつあって、淋しいからシロの代わりにという理由ではなくてまた新たに犬と暮らしたいと前向きに考えられるようになりました。お産もそう。初めて出産した時はもう二度とこんな痛い思いは絶対にしたくないと思ってましたが、時間が経つと不思議なことにそんなこと忘れてまた欲しくなるんですよね。人の脳って都合の悪いことは忘れるように出来ていて、だから辛いことがあっても前向きに生きていけるんだなぁって改めて思いました。

でもきっと哀しみを我慢してはいけないんだと思います。哲学者のフロイトによると大切な存在を失くした時はしっかりと悲しんで泣いて「喪の仕事」を正しく行うこと、悲しみつくすことそのものに癒す力があるそうです。シロが亡くなった直後に息子が買ってきてくれた本に書いてありました。その時はこの本を読んでもいつまでこの哀しみは続くのか不安しかありませんでしたが、今ではどんなこともある程度は時間が解決してくれるので大丈夫…  そんな気持ちにようやくなることができました。

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今回の台風、地震で被害に遭われた方々にも早く心の平穏が訪れますように…