日日是好日

ようやく新年を迎えたと思ったら、無病息災を願って7日には七草がゆを食べ…

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そして1日遅れて今日は家族でおぜんざいをたべました。次々とお正月行事を終えていきます。

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鏡餅のあるところに神様がきてくださるとの言い伝えがあって、そのお下がりを皆でいただきます。古くさい伝統かもしれないですが、毎年欠かさずしています。

 

話は変わって先月から読み始め、お正月に読み終えた本です。

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映画を見れなかったので読んでみたのですが、すごく共感できるものでした。

作者と同じように私も大学生になった頃にお茶のお稽古に通い始めました。習ってられる方はご存知でしょうが、茶道って季節によって、使う道具によってお点前が違ってて、一通り習うのにまる一年。お点前が色々ありすぎて、覚えるまで1つのお点前をするのではなく、それを覚えていないうちからまた違うお点前を習うので、10年やってもマスター出来ないほど奥が深いです。

初めはなんでこんな回りくどい手順を踏まないといけないのだろう?って思っていましたが、その手順が一番スマートで理に叶っているなぁって気づくのに10年かかりました。大学卒業後、就職してからも続けていましたので疲れて面倒だなぁと思う日もありましたが、疲れているからこそお茶のお稽古で無心になりたいなぁと思うようになったのも10年後。そして結婚して京都を離れ、お稽古を辞めたのも10年後(笑)。面白くなってきた頃にやめちゃったのですが。

お点前はなかなか覚えられないのですが、先生は怒ることなく毎回気長に向き合ってくださいました。きっと茶道は頭で記憶するものではなくて、身体に自然と身につくまで何回も繰り返していくものですので、それを待っていてくださったのだと思います。

ちょうど毎年この時期に「初釜」という行事がありました。弟子が全員着物を着て新年の挨拶をしに行くのですが、この時だけは先生がお濃茶のお点前をしてくださいます。掛軸やお道具はお正月しかお目見えしない物、12年に一度しか使わない干支のものを出していただき、いつも以上に緊張感をもってお席に入り、その後会席をご馳走になり、くじ引きをしたり、お話をしたりして皆を楽しませてくださいました。

今思えば初釜の日だけでなく、鏡開きの日にはおぜんざいを、お月見や炉開き冬至など、季節の行事の度に高齢の先生が趣向を凝らし、痛い脚で準備してくださり、おもてなしをしてくださっていたのかと思うと感謝の気持ちでいっぱいになります。きっと私が鏡開きなどの伝統行事を毎年欠かさずするようになったのは先生が毎年そうしてくださっていたからだと思います。

この本の中の言葉に「会いたいと思ったら、会わなければならない。好きな人がいたら、好きだと言わなければならない。花が咲いたら祝おう。恋をしたら溺れよう。嬉しかったら、分かち合おう。」というのがあります。一期一会に通じるものだと思いますが、同じ時間は永遠に続くものではないので、出会ってくれた人達を大切に思い、感謝の気持ちを伝えること。

先生は私が京都から離れている期間にすでに亡くなられていて、お別れもお礼も言えてない。だからこそ感謝の気持ちを込めて先生が教えてくださったこと、して下さった事を今度は私が子どもたちにしてあげたいと思っています。