今度は義父が…

6月30日の朝方のことです。

私が2月に亡くなった実家の父の夢を見ていたのか覚えてないのですが、「なおこ!」って父の声で呼ばれて飛び起きました。父が枕元にいるのではないかと見回してもいなかったのですが、しばらく心臓がドキドキしていました。時計を見たら4時45分。もう30分寝れるかなぁと思っていた矢先主人のケータイに電話が…  入院していた義父の意識がなくなっているので、すぐに病院に来るようにとの事でした。着信履歴は4時48分。実家の父が義父の死を知らせに来たのでしょうか…

主人はすぐに準備して車で2時間かかる病院に向かいましたが、すでに義父は冷たくなっていたようです。

義父は料理人であちこち単身赴任で仕事をしていて、一言でいうと自由な人でした。10年前の72歳くらいまで単身大阪の介護施設の料理長をされていて、義母が一人で暮していた奈良に戻られて2、3年後に義母が突然お風呂で倒れて亡くなり、京都に来ないかと尋ねても一人でいるのがいいからと住み慣れた奈良からは離れず、自分で自分のことはされていました。単身赴任生活が長かったので不自由はなかったようですが。

仕事引退後はしばらく気楽に暮しておられましたが、3年ほど前に心臓が悪くなりカテーテル治療を何度かされ、良くなったと思ったら今度は肝臓に7センチ大の腫瘍が見つかりました。80歳と高齢でしたので外科手術はせずに、肝臓にカテーテル抗がん剤をピンポイントで入れる治療を何度か受けられました。全身ではないので毛が抜けたりなどの副作用はなかったようですが、熱がでたり食欲がなくなったり辛そうでした。

その治療は悪くもならず良くもならずという感じでしたので、身体の負担を考えて家で過ごしながら抗がん薬の服用治療に変えました。

その間幻覚が見えたり、しんどすぎて動けなかったりしたので、主人が電話をしても起き上がれない時があると心配で車を走らせることが度々増えてきたこともあって、徐々に薬の分量を減らして、最近は自然のなりゆきに任すことにして抗がん薬もやめることに決められました。

一人で暮らすのは無理があるので、主人が奈良の実家で一緒に住むか、京都に来るのか、病院に入院するのか、施設に入るのか、色々選択肢はありましたが、自分のペースを乱されたり干渉されたり、自分のエリアに誰かが入ってくるのを嫌う方でしたので頑なに今のまま一人で暮らしたいと頑張ってられました。そんな状態が1年ほどありましたが、黄疸が出て、腹水が溜まったりで入退院を繰り返しながら最後の1週間は自宅でゆっくり過ごし好きなものを自分でこしらえて食べ、天寿を全うされました。生きたいと思う気持ちがすごく強い人で、3年間の辛い闘病生活、本当によく頑張られました。

義母も私の父もあっけなく逝ってしまったのでなんの覚悟もないかわりに死への恐怖感もなかったですが、義父のように辛い闘病生活を送りながらだんだんと弱っていかれる姿を見るのは主人にとってとても辛いことだったと思います。この三年、離れて暮していましたが、常に「死」を意識して主人にできることは悔いなくやってあげられたと私は思っています。義父も色々文句を言いながらも喜んでいたことでしょう。

 

コロナが流行りだして病院では面会できず、自宅にも遠慮して行くことができませんでした。最後に会えたのはちょうどひと月前、緊急入院した時に特別に子供たちと三人、5分だけ会わせてもらいました。

葬儀も高齢の親戚は報告だけにして、近い身内のみで見送りました。コロナがなければ義父の古い友人にも葬儀に来て欲しいと伝言されていたのに本当に残念なことでした。

 

それにしても私の父を2月3日に、義父を6月30日に、たった5か月の間に二人の父を亡くしてしまいました。私たち夫婦は同い年の誕生日が5日違いで、占いでいうと天王星人マイナスで、今年は中殺界。あまり信じてはないのですが、なんか当たってしまったね〜って話していました。

この世で自分の父と母は一人ずつしかいません。私にはまだ母が元気でいてくれるのですが、父母両方とも亡くすのはどれほど辛く、寂しいことでしょう。子が親を看取り、見送るのは当たり前のことですが、動かなくなったご遺体を火葬場に送り、骨を拾うのは何度やっても慣れることはないですね。ぽっかり空いた穴はパズルのピースのようにきっちりと埋まることはなく、空いたままどうにかこうにか頑張るしかないんだなぁと思ったりします。

いつか自分にもこんな日が必ずくるわけですが、子供には迷惑かけたくないなぁと思いながら、死ぬ前も死ぬ時も、死んだ後も経済面も含めて残された者にたくさん面倒をかけなければなりません。動けなくなったら誰かの手を借りなければ生きることも死ぬこともできないものです。死に方も時期も選べませんが、なるべく迷惑をかけないように…と願うしかないですね。

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いつも甘えん坊のつきちゃん。

ケージで過ごすペットホテルはストレスのようで、今回長時間でしたが、家でお利口に留守番してくれてました。帰りの電車の中ではつきが不安がってないか心配で心配で…帰宅後すぐに飛びついてきて、ベロベロ舐めてくれました。元気で良かった!つきちゃんもお疲れ様でした。