味ごはん

またまた悲しい知らせがきました。

私たちが愛知県に住んでいた時にすごくすごくお世話になった、マンション隣の美容室のいづみおばちゃん。3月まで調子が悪いながらも美容室でお仕事されていたのですが、4月に病気がわかり5月22日にあっという間に旅立たれました。まだ68歳でした。急遽翌日愛知までみんなでお別れに行ってきました。

私たちには病気だったことも心配かけるから連絡するなと言われていたそうです。あまりにも突然のことでまだ信じられないのですが、やっぱり家で一人でいると涙がでます。10月に会った時は元気にされていたのになぁ…

その時、帰りの車で食べてねと味ご飯を作って持たせてくれました。

f:id:shirokun0806:20210525102640j:image

愛知から京都に引っ越した日や、その後も遊びに行った時はいつもご飯を用意してくれて、帰りに味ご飯をおにぎりにして持たせてもらい、娘や孫が里帰りする時のように楽しみに待っていてくれました。それももう出来なくなるんだなぁと思うと淋しくてたまらないけれど、おばちゃんは人の倍働いて、人のために世話を焼き、たくさんの人から愛されて本人は後悔なく満足して旅立たれたのではないかなぁと思います。

転勤族の我が家が富山県から愛知に引っ越したのが息子が年少さん、娘がまだ一歳になってなくて、親元離れてのワンオペ育児は本当に大変だったけど、おばちゃんに支えもらい、たくさん甘えさせてもらい、なんとかやってこれました。私の愛知のお母さん的な大切な存在で、引っ越しして12年経ってもそれは変わらないです。

 

今までたくさん味ご飯を食べさせてもらったので、今度は私が味ご飯を小さなおにぎりにして棺の中に入れてもらいました。京都だけなのかはわかりませんが、先に旅立った人が迎えに来られた時に一緒に食べてもらえるようにお弁当を持たせてあげる風習があるのです。

きっとおばちゃんの作った味ごはんには敵わないけれど、最後の1週間はご飯も食べられてなかったそうですので、あっちの世界で元気に食べてくれたらいいな。

 

それにしてもコロナがなければもっと自由に行き来できたでしょうし、入院中のおばちゃんとご家族ももっとたくさんの時間を共有できたのになぁと思う。

私のまわりで亡くなった方が去年からすごく多いような気がします。その大半は入院中面会もろくに出来ず、寂しい気持ちのまま旅立たれ、ご家族も満足に見送れず後悔が残ってられます。きっと人間はうさぎよりも淋しさに弱い生き物なのかもしれません。

 

今は緊急事態宣言下にもかかわらず、遊びに行ったり、カラオケ行ったり、合唱の練習に行ったりする方も多いです。去年までなら防げたことも今の変異ウィルスには太刀打ちできないし、去年までの常識とは変わってきています。

楽しみや生き甲斐を奪わないでと言うけれど、それは生きていればまた出来ること。死んでしまったらもうおしまいです。身近に病気の方がいればわかるのでしょうけれど、個人の身勝手な楽しみを優先するとどこかで泣いている人が出てくるのです。今しばらく大勢の人が集まって大声を出したり飲食しながらおしゃべりする行為は我慢できないものかと、つくづくそんな今の世の中に悲しく思いました。